包装用ロープ・取っ手メーカーの松浦産業(香川県善通寺市、松浦公之社長)は、ダンボールケースに貼り付ける取っ手の新商品をキリンビールと共同開発、販売を開始した。従来商品に比べ、二人でケースを持ってもはがれにくいのが特徴。ディスカウント店などで段ボールケース売りが増えていることから、新商品の追加で、約3億円の同分野の年商を3年後をめどに3割程拡大する計画だ。
共同開発した「タックハンドルX型」=写真=はポリプロピレン製の取っ手をたすき掛けにした形状。左右に分かれていた従来品に比べ、段ボールケースに貼り付ける際に位置がずれにくい。また、ケースを縦横方向で持つことが出来るうえ、二人で持ってもはがれにくく、松浦産業では需要は大きいと見ている。
約2500万円を投じて専用製造設備を自社開発し、本社工場に月産能力100万枚のラインを設置した。キリンと共同で特許を出願しており、1年間はキリン1社に供給する。従来商品は350ml缶12本入りケース向けだったが、X型はシール部分を拡大することで、初めて24缶入りケース(重量約10キロ)にも対応。キリンは24缶入りケース向けは新商品に順次切り替える方針だ。
他のビールメーカーや飲料メーカーからも引き合いがきており、キリン以外にも供給できるようになる来夏以降、納入先を拡大する。また、X型は製造設備を工夫することで、幅約35cm(従来商品は15cm)までの段ボールケースにも使える長さに加工できるため、現在、ひもをかけて包装している家電製品など新規市場の開拓にも力を入れる計画だ。